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研修生コメント

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地域医療研修レポート (小鹿野中央病院) 2012年2月

2012年2月26日

初期研修医 1年 S様

【研修期間】2012年2月1日-2月28日

【研修目標】

              1.小鹿野における医療の現状を知る

              2.地域の市中病院における医療を知る

              3.在宅での医療や保健、福祉を経験する

【研修内容】

 1.院内研修: 内科、整形外科病棟、初診外来、心療内科外来、救急対応

        整形外科手術、内視鏡検査

 2.院外研修:・小児科研修(あらいクリニック、乳児健診、予防接種)

                ・精神障害者作業所(作業所訪問)

       ・家庭訪問(保健師家庭訪問、訪問看護同伴、CM家庭訪問)

       ・診療所・訪問診療(倉尾、両神地区)、特養訪問(小鹿野苑回診)

       ・健康増進(元気はつらつ教室)

       ・講演会参加(緩和医療講演会)

 

●院内研修

院内研修では、大学病院では学ぶことのできない次の3点を経験し学ぶことができました。

まず、第一に終末期の医療をです。大学病院では、急性期疾患を主に取り扱いていました。患者のその後や送った病院先ではどのような医療を受けているのかを知る機会があまりありませんでした。大宮ではほんの1部分の病期のでしか患者を診ていなかったのですが、小鹿野で患者の終末期まで触れることでができました。それにより、入院した患者が今後どのようになるのだろう、どのようにプランイングしていけば社会の中で健康的でよりよい生活を送れるようになるのだろうかを考えることの大切さを改めて感じました。

第二に、ジェネラリストとしての役割の大切さです。町立病院では、脳梗塞・心不全・腎不全・肺炎・間質性肺炎・サルコイドーシス・高血圧・糖尿病・脂質異常症・心筋梗塞後・認知症・消化管出血・悪性腫瘍・脳炎など多様な疾患をわずか数人の医師で診ていることに驚きました。確かに、医師がいないためにすべてを診なければならないといえますが、特定の臓器に限らず患者の頭の先から足の先まで全身を診る医者が必要であり社会のニーズとして存在していることをみることができました。「困って病院にきた患者を診るのが医者である。そのこに専門ではないからと言う隙はない」と小鹿野で働いている先生方が口にしていた言葉が印象的です。

最後に、多職種チームメンバーの密なコミュニケーションの大切さです。患者の終末期をどのように過ごすか、患者の家族をどのように支えていくべきか、栄養士・看護師・訪問看護師・事務職員・保険師・ケアマネージャ・医師が一つのテーマを話し合っているのをみることができました。終末医療では患者および患者の家族を支えていくためには、医療チームが一つとなって取り組まなければ成功は難しく、町立ではそれを成し遂げるために様々なカンファを行ってました。そこで、単にカンファを開けばよいだけではなく、 医療チームメンバーはお互いの意見や価値観を尊重し合い、1人の人間の死と向かい合って議論をしていました。日頃から密なコミュニュケーションを行っているからこそ、いざ「患者の死(終末期、end of life)」について話し合うときにもお互いの価値観を尊重し合えるのだろうと思いました。医療者1人1人の小さな心がけが患者のend of lifeに大きな変化を生み出すきっかけになっていることを経験しました。

 

 

●院外研修

 院外研修として、往診、訪問介護、ケアマネージャ訪問、あらいクリニック、乳児検診、高齢者いきいき教室の見学をさせていただきました。往診や訪問介護では驚いた部分が多かったです。こんなところに人が住んでいるのか。という場所にいく機会もありました。そこでは90歳を超えた方が一人で暮らし、その生活をなんとかサポートしようと地域全体で支える小鹿野のすごさを感じました。小鹿野では患者1人1人のニーズにあった医療提供を行う地域の医療活動がありました。

 ケアマネージャ訪問、高齢者いきいき教室では、疾患予防として公衆衛生の大切さを改めて感じることができました。小鹿野町では埼玉県で1番医療費が低い理由に、地域が一丸となって健康な町作りを行おうとし予防医学が早くから行われているからなのだろうと思いました。

 

●小鹿野病院での研修を終えて

 この1ヶ月で終末医療・ジュネラリスとしての役割・チーム医療の大切さ、そして小鹿野町人の心のあたたかさに触れることができとてもよい研修ができましたと感じています。ご指導いただいた関口院長、金子先生、福田先生、加藤先生、そしてお世話になった大久保師長さんありがとうございました。

 

カテゴリ:研修生コメント
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